空の中 有川浩の作品は
「空の中」
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私のだいすきな作品の1つを最近読み返したので、これの感想を少し。「自衛隊三部作」といわれる、塩の街、空の中、海の底は、何回も読んでしまう。
有川浩といえば、他に、最近映画化された、「植物図鑑」や関西の人には馴染みの深い「阪急電車」などを書いている。またアニメ化、漫画化、映画化もされた、「図書館戦争」も言わずと知れた代表作だろう。他にも多数の作品が映像化されている。
主に恋愛やSF作品だ。
有川浩については、まだまだ語れることは多いが、今回はこの辺で。空の中の話をしよう。
まず、私の周りに文字が嫌いとか読書しないとか、そのような人は多くいるが、その人達にはあまりオススメしない。なぜか。漢字が多い。有川浩をオススメしないのではない。有川浩のこの作品においてはオススメしない。
空の中は濃いいのだ。
自衛隊が登場すると、漢字が多いのだ。聞きなれない言葉も。だけど、決して難しいわけではない。有川浩は、状況を鮮明に思い描かせてくれる。
そして、それはリアルだ。
現実からは程遠い。実際に空の中でも現実からは程遠いことが起こる。しかしそれだけのことだ。その「何か」が現実離れして存在しているだけで、他があまりにもリアルだ。
主人公は二人いる。それが、この本のいいところだろう。子供の子供で子供だからの痛さ。大人になってしまったための痛さ。それらがある。また、宮田(高校生の近所のおじいちゃを)が1番リアルを突きつけてくる。彼が、メインで出てくるわけではない。ただ、読み終わったときの宮田の存在はあまりにも大きく。正論なんて言葉で当てはめてはいけないような宮田の一言一言はとても、真実で。彼がいることで、またいっそうこの物語がリアルに痛くなっていると感じた。
「 許してもらえんかったら、それは仕方ないわね。許してもらえんようなことをしたがやと、やっぱりそれも思い知って覚えちょくしかないがよね。」本編より(宮田)
自分はなんて、自分勝手に生きているのだろう。と思わされる。
間違った2人は、やはり、もう間違いを正すことはできなくて、ただ、ただ、進むのは間違いであると佳江は思い知ることになる。
そして、間違いを気づいて、だけどそれでも進むことしかできない瞬。そんな瞬を佳江が迎えにきたシーンが私は1番好きだ
声が聞きたい、と飢えるように思った。声が聞きたい、話したい、佳江の隣にいたい。 あなたが好きです付き合ってください。 そんな契約を取り交わすところは想像できないけど、 佳江が、俺の好きな女の子だったんだな――こんなときにこんなところで、本当はずっと昔から知っていたような気がすることをやっと自覚した。本編より
このシーンはクライマックスでもなんでもないかもしれない。ただ、だけど、とても印象に残った言葉だった。
今回は、痛いという表現を多く使った。この本の最後、新井素子の解説にも同じ表現が用いられていた。それは、私もピッタリな表現に思えた。みんながそう思うわけでもないかもしれない。
空の中を一言で感想を述べるなら
「痛い」
だった。
読んでくれてありがとうございます|д゚)
ちょっと、なんか偉そうに書いてみました。空の中、とりあえず、頑張って読んでっていうのが本音です。
今日からは、海の底を読み返します。これも大好きな作品ー
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