あの日
テレビをつけると、成人式のニュースが行われていた。
成人式は、ハルカとの思い出を思い出して胸が苦しくなる。
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続きです。
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ー 冬馬side ー
あの日、ハルカは駅まで来てくれた
今まで連絡を取ってなかったことが嘘のように、普通に待っていて、コンビニで飲み物を買って、いつものように家についた。
何も変わらないハルカの家
変わったのは、短くなった髪の毛と、ほんの少しの 距離
そして、切り出せない話
抱きしめれる場所に君がいるのに、動かない腕
2年間、僕は何をしていただんだろうか
今更こんなに好きだと気づくのは遅いのだろうか
「そういえば、あの映画の続編が出たの知ってる?」
そう言って君は、スマホを僕に渡して来た。
「え!?でか!!!!」
思った以上に大きい声でつっこんだ僕に君はやっと笑ってくれた。
「いや・・・スマホ変えたんやな」
そこからは、ほんの少しの距離がなくなるまで早かった。
続編が出た映画の話、スマホを変えた理由、あと話題のゲームとか、本当にくだらない話ばかりだけど、こんなにも心が安らいだのは久しぶりだった。
一瞬の沈黙後君が時間を確認した。(ような気がする)
気づけば20時を過ぎていたが、まだ新幹線で帰れる時間だ。
でもまだ大事な話は何もしてない。
君に触れてもいない。触れたい。触れていいのかわからない。
「ねぇ、お腹減らん?せっかくやし食べに行こう!」
断る理由なんてなかった。
ご飯から帰って、僕はまだ君に触れないまま、同じ布団に入った。
二人で仰向けになって、くだらない話は続く。
大事な話はまだ、何もしていないままに。
「さすがに眠たくなって来たなぁ、明日何時に起きようか」
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261日間止まっていた物語